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「青森県における「明後日の翌々日」の意味の「キササッテ」の語源について」

こんにちは。こちらは個人的趣味のブログになっています。日々考察している事をまとめているだけの記事ですのでご了承下さい。

 

本日は、「青森県における「明後日の翌々日」の意味の「キササッテ」の語源について」

 

 

まず初めに、全国における「しあさって(明後日の翌日)」と「やのあさって(明後日の翌々日)」の分布について。

 

「しあさって」では、東北から関東までほとんどが「ヤノアサッテ」と言っている。岩手、宮城、福島、新潟、群馬、埼玉、東京、千葉、横浜、長野では「シアサッテ」も少なからず見受けられる。糸魚川・浜名湖線付近では、さまざまな分布が広がっている。静岡では、「ヤノアサッテ」と「シガサッテ」、長野では「ヤノアサッテ」と「シガサッテ」、次いで「シノアサッテ」「シアサッテ」「サンアサッテ」となっている。岐阜では「サアサッテ」「シヤサッテ」「シアサッテ」、愛知では「シガサッテ」「シアサッテ」「サアサッテ」、三重では「サアサッテ」が分布している。それ以外の西日本ではほとんどが「シアサッテ」である。福井、京都、大阪、佐賀では「シラサッテ」、鹿児島では「サアサッテ」も見受けられる。また沖縄には「サアサッテ」「ユーカ」「アサティヌナーチャ」が分布している。

 

大まかにまとめれば、「しあさって」については東日本が「ヤノアサッテ」、西日本が「シアサッテ」、そして東京が「シアサッテ」となっている。そして西日本は三重や岐阜、鹿児島や沖縄に「サアサッテ」があり、「サアサッテ」が古く、「シアサッテ」が新しいABA分布であり、昔西日本では明後日の翌日を「シアサッテ」ではなく、「サアサッテ」と言っていた可能性が考えられる。

 

 次に「明後日の翌々日」の意味の「やのあさって」の分布だが、全体的多いのは無回答である。以下の表は無回答を省略して分布をまとめたものであるので、それを参考に議論を続けたい。

 

 

「明後日の翌々日」の意味の「やのあさって」の分布

青森

「キササッテ」「ココノサッテ」「サシアサッテ」「サアサッテ」

秋田

「サラサッテ」「サラヤノアサッテ」「サアサッテ」

山形

「「サラヤノアサッテ」「ココノアサッテ」「サアサッテ」「シアサッテ」

岩手

「ココノサッテ」「ヤノヤノアサッテ」「サアサッテ」「シアサッテ」

宮城

「ヤノヤノアサッテ」「シアサッテ」

福島

「サアサッテ」「シアサッテ」

関東地方

「シアサッテ」「サアサッテ(茨城)」「ヤノアサッテ(神奈川)」

新潟

「シアサッテ」

長野

「シアサッテ」「シガサッテ」

岐阜

「ゴアサッテ」「シアササッテ」

静岡

「シアサッテ」「ゴガサッテ」

愛知

「ゴアサッテ」「ゴガサッテ」

三重

「シサッテ」「シアササッテ」「サキササッテ」

他西日本

「ゴアサッテ」「ゴラサッテ(兵庫・鳥取・島根・広島・岡山・長崎・鹿児島)」「ヤシアサッテ(高知)」

沖縄 

「イチカ」「アサティヌナーチャヌナーチャ」

 

まとめると東日本では「キョウ」-「アシタ」-「アサッテ」-「ヤノアサッテ」-「シアサッテ」と変化し、明日を第一日目として考えていた事が分かる。西日本では「キョウ」-「アシタ」-「アサッテ」-「シアサッテ」-「ゴアサッテ」と今日を第一日目として考えており、そこから違いが生じたと考えられる。東北に見られる「ヤノヤノアサッテ」は「ヤノアサッテ」の次の日であるから、そのような表現となったと考えられている。また「ゴアサッテ」は「シアサッテ」の「シ」を「四」と解釈し、「ゴアサッテ」の「ゴ」を「五」と解釈した事から生まれた。

 

 ただ、青森県においては「キョウ」-「アシタ」-「アサッテ」-「ヤノアサッテ」-「キササッテ」が主な分布となっている。なぜだろうか。「キササッテ」について佐藤教授は、まず次のような解釈を行った。すなわち、「キササッテ」の分布のすぐ近くに「ココノサッテ」が存在している事から、本当ならば「キササッテ」ではなく、「ク(九)ササッテ」なのではないかと考えた。しかし「クササッテ」という表現はなく、違うであろうという結論に至った。

それと関連して、民衆は前の日の「ヤノアサッテ」の「ヤ」を「八」と捉えたため、「ココ(九)ノサッテ」が生まれたというが、これは民衆語源である。次に教授が行った解釈は、「サキササッテ」が音位転倒し「キサササッテ」となり、その後「サ」が一つ抜け「キササッテ」となったというものである。

 

しかしこの説よりも納得のできる説をある学生が考えた。青森においては、青森の西側に福島と同じく「ヤノアサッテ」-「ササッテ」-「サキササッテ」という分布と、青森中央部の「ヤノアサッテ」-「キササッテ」-「サキササッテ」の分布が見られる。今まで「サキ(先)」プラス「ササッテ」と考えたから、「サキササッテ」の前の日は「ササッテ」であると考えられていたが、言語地図には「ヤノアサッテ」-「キササッテ」-「サキササッテ」と分布が青森中央部には広がっており、この説も納得のできあに事が分かる。それに対し学生は異なった見解を示し、「サキササッテ」を「サ」プラス「キササッテ」と考えた。

この場合における「サ」とは「再来年」の「再」である。「サキササッテ」を「サ」プラス「キササッテ」と考えれば、その「サ」が欠落した事により、一つ意味がずれて「キササッテ」となったという説が成り立つ。

 

この発見により、青森県中央部では「キョウ」-「アシタ」-「アサッテ」-「ヤノアサッテ」-「キササッテ」の分布解釈が成立するのである。青森県に現れている「キササッテ」は、この学生と教授との説が、現在の青森県における「明後日の翌々日」の意味における「キササッテ」の語源解釈の主流となっている。

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